第402話

S県のS市には、

電車に乗って、


乗り換えを含めると

3時間くらい掛かった



その間も、涼は私と

必要以上に会話をする事を

避けていた



私は涼と何か話したいが、

何も思い付かなくて、

話し掛けれない



聞きたい事は沢山有るが、聞けない事ばかり



涼の右の足首に有る、

火傷の跡



一年の時、

涼と仲良くなり始めたくらいに、

その話を聞いた



昔、自分で誤って

お湯を零して火傷をしたと、


靴下を少しめくり、


火傷の跡を私やユキに

見せていた



その時は考えもしなかったけど、


それはお母さんにされたんじゃないのだろうか?



もしそうなら、

ひど過ぎる



今も、彼の母親は

涼を苦しめている



涼が人を殺してしまうのは、

きっと、苦しいからだ

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