第399話
「ガタガタじゃん。
もっと上手く切れよ」
涼は私の不揃いな後ろ髪を、
切り落として行く
涼の手際は良く、
髪を切る音さえも
綺麗だった
「俺、今こうしながら、
咲の首を切り裂いてしまいたいって思っている…。
それでも、まだ俺と居るのか?」
私の耳元で涼の声が聞こえる
言葉の内容は怖いのに、
今の私は恐怖を感じる事無く、
頷いていた
「…そうか」
涼はそう言うと、
バタフライナイフを
折り畳み、
私に差し出した
私は躊躇いながらも、
それを受け取った
「自分の身は自分で守れよ」
涼はそう言うと、
ソファーに置いていた
ヒップバッグを、
腰に付け
私を待つ事無く
部屋から出て行く
私は我に返ったように、
慌てて鞄を持ち、
涼を追った
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます