第390話

涼は私の方を、

ゆっくりと振り向いた



それと同時に、

涼の両手が、


私の首にゆっくりと

伸びて来る




私は、殺されるのだろうか?



そう思うのに、

その事に恐怖が湧かない





私の首に手を掛けている

涼は、


涼だからだろうか?



私は首を両手で捕まれ、

ベッドに押し倒された



涼が私の体の自由を奪うように

私の上に座り、



私の首を絞める手に、

さらに力が入った



それがとても苦しくて、


思わず涼の手を両手で

強く掴んでしまった



私の顔を、

涼は小さな笑みを浮かべ、

見下ろしている



それは、いつもの涼とは

違う



今、目の前に居るこの人物が、


涼の中に居る

もう一人の

人間なんだろうか?



そう思うと、

体の底から恐怖が湧いた

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