第374話
ポタリ、ポタリ…
一定のリズムの小さな音で、
畳に赤い染みが出来る
俺の頬から落ちる血が、
ポタリ、ポタリと
俺は自分の左頬に触れた
生温かい液体を感じる
俺は、その液体のついた手をゆっくりと、
自分の目の前にやる
息が止まるくらいに、
驚いた
俺の手のひらは、
赤く染まっていた
赤い色は人を狂わせるのだろうか?
血を見た瞬間、
自分の中の体温が上がって行くのが分かった
俺は、母親の顔を睨み付けていた
生まれて初めて、
母親に対して反発したのかもしれない
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