第349話

「もし、もしも俺がお前を殺そうとしたら、


これで俺を殺せ」



俺はバタフライナイフを、

咲に手渡そうとした





「何言ってるの?

そんな事出来る訳ないじゃん」



咲は大きく、

首を横に振った





「約束してくれよ。

もしもの時は、

俺を殺せ。


いや、もう一人の俺を殺して欲しい…。

でなきゃ、咲と一緒に居る事は出来ない」



俺がそう言うと、

咲は考えるように、

俺から視線を外した

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