第334話
約束の時間が近付き、
咲がゆっくりとこちらに
走って来るのが見えた
俺はじっと立ったまま
待っている事が出来ず、
咲の方へ向かい、
駆け出していた
人混みの中
俺達はお互いの姿を
近くに確認すると、
互いに歩み寄り、
強く抱きしめ合った
周りの人間が、
俺達を気にするように
見ていたが、
俺達はお互いを抱きしめる腕の力を、
緩める事は無い
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