第330話

「I県のF町に居る…」



俺は無意識に近いような

感覚で、


自分の居場所を

伝えていた



そして、



「だけど、俺がそっちの方へ会いに行く。


今から2時間後、

K駅の前の本屋の前に

居てくれないか?


もし、咲がもう一度考えて来ないなら、

それはそれでいいから。



携帯電話はもう此処に

棄てる。


じゃあ」



俺はそう言うと、

咲の返答待たずに

一方的に電話を切った





公園を出ると直ぐ、

携帯電話の電源は

入れたまま、


目の前の道路を走っていた軽トラックの荷台に、

携帯電話を放り投げた



その軽トラックの運転手は、

そんな事も気付かず、

スピードを落とす事無く

走り過ぎて行った

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