第288話

私は通話ボタンを押すと

携帯電話を耳に当てた




『ちょっと、

咲電話出るの遅いって』



ユキは私が話し出す前に

慌てたようにそう言う



声の感じからすると

余程伝えたい事が

有るのだろうか?





「どうしたの?」




『まだテレビ見てないの?



中山先生が殺されたんだって』




「えっ…」



私は直ぐにユキの言っている意味が理解出来ず


別におかしかった訳じゃないが


微笑が漏れた



段々と意味を理解すると、

ユキのその言葉は

冗談にしては

ちょっと悪趣味だと思った



普段からユキは

中山先生を嫌っていた



中山先生のクラスになった私を


哀れんでいた事も有った

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