第276話

チャイムはまだなって

いないのに、


中山先生は急いだように

教室に入って来た



その途端、教室の中が

静まる





「木村さん、

2時間目のテスト終わり

視聴覚室に来て。



田中さんの事で、

刑事さんが聞きたい事が

有るらしいの。


詳しい事は、

刑事さんに聞いて」



中山先生はそう言うと、

教室から出て行った



教室中、皆好奇心に

満ちた目で、


私を見ていた



私は誰とも目を合わさないように

椅子に座ると


朝のホームルームの時間迄、


机に顔を伏せた

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