第233話

「…熱が酷くて、

自分から連絡する余裕が

ありませんでした…。


だから…」



俺のこの言葉は

恋人にしては不自然だと

分かっているが、


嘘は付けない



田中の携帯は、

圏外の時に電話をしても、

後々、電源を入れた時にそれを知らせてくれるだろうし、


メールの一つでも、

後々、俺から無いと

不自然だ



だけど、携帯電話さえ

見つからなければ、


嘘をついても、

分からなかったのでは?



そう思うが、

もうどうにも出来ない



焦りで、体が震え、

頭の中が真っ白になって

行く…

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