第231話

「彼女を家に呼んだんですよ。

携帯で道順を教えました。多分、それが最後の通話です。


だけど、田中は一時間くらいで、

俺の家から帰りました」




「と、言う事は、


君の家に来た後、

田中愛美さんは直ぐに

帰ったんだね?」



市川と言う刑事は、

俺の言った事を復唱しながら、

手帳のような物に

メモしている





「はい。

お見舞いに来て

貰ったんですけど、


俺、熱が上がって来たから、

彼女に移したら悪いから、一時間くらいで

帰って貰いました」



俺は、田中がこの家に来た事は、


否定はしない



田中が俺の家に来た事は、誰か見たり、

聞いたりしているかも

しれないからだ

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