第206話

「お前、駅は…M駅だよな?

その駅前は?」



俺は定期を見ながら、

咲の使っていると思われる駅名を口にした





『うん…。

時間は?』




「今から一時間後はどう?」




『うん。じゃあ…』



咲はそう言うと、

逃げるように


電話を切った



咲は、俺に怯えているようだった…



もう、咲が何故俺に

怯えているのか、


気付いた



誰よりも、咲だけには

アイツの存在を、


知られたく無かった…

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