第193話

私は訳が分からず、

後ろに後ずさった



手から力が抜けたのか、

鞄が手から滑り落ち、


音をたてる



私は無我夢中で、

鞄を拾い上げた



一瞬、涼に目を向けたが、

私の方を見ていた



私は何も考えられなくて、

とにかく走った





とにかくひたすら

走っていると、


なんとか駅に辿り着いた



駅にはチラホラ人が居て、

ホッ、とした



限界な程に息が切れ、

安心からか、


足から力が抜けた



自分の意思に逆らうように足が震え出し、


立っている事さえままならない



私は切符売り場の前で、

床に座り込んだ

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