第192話
私は目が反らせ無くて、
その路地裏を凝視した
うっすらだがそれが
何なのか分かる
一人立ちすくむ男性が手に持っている物は、
ナイフ
その先から、
何かが滴り落ちている
きっと、それは血だ
例の通り魔だろうか…
だけど、なんでそれが、
涼…
その男の横顔は、
私がいつも教室で見ていた、
涼のもの
暗くても、間違わない
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