第116話
「じゃあ、もう帰ってくれないか?」
そう言った涼の口調は、
今迄感じた事が無いくらいに冷たかった
涼にどれだけ意地悪な事を言われても、
いつも、涼の口調は
優しかったように思う
「うん。私帰るね」
私は鞄を掴み立ち上がると、
涼の顔を見る事無く、
玄関に向かった
そして、靴を履くと、
涼の家から出た
涼は、私を見送る事も無く、
私にもう何も話し掛けて
来なかった
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