第97話
「俺じゃない…俺は…」
床に座り込み、
もう一度、
勉強机に置かれた鏡に
目を向けた
その鏡には血で文字が
書かれている
きっと、俺の血だ…
[オレハ ココニイル]
そう書かれている
俺は鏡に近付き、
自分の姿を写す
ココニイル…
鏡に写っているのは、
俺だ
俺は、記憶喪失なんかじゃない…
二重人格…
オマエ ノ ナカニ イル
もう一人の俺が、
俺を、そう嘲笑っている
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