第96話

朝、目が覚めると、

母親の使っていた鏡が、

俺の勉強机の上に

置かれていた



俺はただ呆然とその前に

立ち尽くす事しか出来ない



鏡が勝手にその場所に置かれている事自体に、

驚いている余裕は無い




右手の人差し指に、

ジリジリとした痛みを感じる



ナイフか何かで切り付けたように、

傷が出来、

血がうっすらと滲み出ている



俺は、部屋中の窓や玄関、扉と言う扉の鍵を調べた



誰かが入って来た

様子は無い

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