第38話

『あぁ…。

明日、昼間にお金振り込んでおくから。


いつもより少し多くしてるから、

お前の好きな物でも買えばいい』




「ありがとう。

じゃあね」



俺はゆっくりと、

電話を切った



父親の奥さんは、

父親が俺にお金を振り込んでいる事も、

良くは思っていないだろう



もしかしたら、

これが俺を良く思っていない理由かもしれない



いくら、父親の稼ぎが一般の人よりいいとしても、


月に十数万円消えるのは、家計に、痛手だろう



俺だって本当なら、

そんなの要らないと言ってしまいたいが、

今の俺は言えない



それは、俺が無力だから…

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