第37話

俺の居場所なんて無くて、それを確認しに行くだけだ



だから、俺は父親の誘いは、

いつも断るようにしている





『なぁ、お母さんはもうずっと帰って来ないんじゃないのか?


一緒に、俺達と暮らさないか?』



父親から、度々そう誘われている





「俺は、ここでお母さんを待つよ。

お母さんが帰ってくるって信じてるから」



俺は母親の事を思っているふりをして、

いつも断る





『そうか。

あいつや篤も、お前と暮らしたいって言ってるんだが…』



父親は、本気でそれを信じているのだろうか?



だから、

女を見る目が無いんだよ…





「篤によろしく言ってて」



俺はそう言うと、

電話を切ろうとする

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