第30話

母親は、俺がどれだけ勉強していい成績を取っても、

決して褒める事はしない



けなすだけだった





「この前はちょっといい点取ったからって…。

今回の点数はなんなの?


あんたは、本当に馬鹿なんだからっ」



母親に“馬鹿”と言われる度に、

自分の中で何かが

積もっていく



それは、憎しみや恨みと言った感情だろう…





俺は、母親にけなされないように、

がむしゃらに勉強した



それは、今もそうだ



家から帰って来たら、

直ぐに机に向かう



勉強しないと、

恐怖を感じるようになってしまった



少しでもサボッたら、

成績が落ちるんじゃないだろうか…



その恐怖心が、

今も、俺を机に向かわせているんだ

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