第21話
佐々木さんは、
俺がここに住む前から
このアパートで住んでいるそうだが、
三年前に旦那さんを亡くし、
今は、一人寂しくこのアパートで暮らしている
だからか、
俺の事を特別気に掛けてくれていた
「涼君も一人だと寂しいわよね。
早く、お母さんが見付かるといいわね」
佐々木さんは今にも泣き出しそうな顔で、
俺に笑い掛ける
一人な自分と俺を、
何処か重ね合わせているのだろう
誰かに、母親の心配をされる度に、
俺は罪悪感を感じる
俺は、寂しくなんかない
そう言っても、
誰も信じてくれない
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