第19話

「…お母さんが居なくて、

一人で寂しくないの?」



私がそう言うと、


涼は一瞬虚をつかれたような表情を浮かべた後、


吹き出すように笑った





「大丈夫だよ。

俺はマザコンじゃねーし。

ママより、綺麗なお姉さんとかの方がいいよ」




「あっそ。

心配して損したよ…」



私はそう言うが、

涼が強がっているのは、

分かる





涼の方に目を向けると、

彼は真っ直ぐと黒板を

見つめている



その横顔はとても寂しく

見えるが、

とても綺麗だと感じた



私は、涼の横顔を、

暫く見つめていた

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