第9話

涼は私のその視線に気付いたのか、


通学鞄からネクタイを取り出すと、


器用にネクタイを

締めながら、

話を続けた



「俺が犯人だったら、

咲なんか狙わないだろうなぁ。

だから、心配すんなよ。

もっと可愛い子狙うって…。

でも、暗闇だったら間違えて万が一…」



涼は、先程と同じ言葉を、繰り返す



最後に余計な一言も、二言も、

付け足して





「別に、私は心配してない。

でも、愛美は危ないじゃん」



私はムッとして、

少し強い口調で言い返した

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