第7話

「また、黒いコートの怪しい男が、

現場の近くに居たらしいよ?

やっぱり、そいつが犯人なのかな?」




愛美は私に耳打ちするように、

声を細めた





「違うでしょ。

だって、今7月だよ?

前にそんな目撃情報が有ったから、

また誰かが適当に言ってるだけだよ」



この時期にコートなんか着ていたら、

逆に目立つだろう



前にも、顔に傷が有る男が、

現場付近をうろついていたとか、

曖昧な目撃情報だけは、

後を絶たない



だけど、その犯人は闇の中にいるように、

姿を現さない



犯行の状況から、

犯人は男だと断定されているが、

それ以上の事は何も分からない



誰が何の為にこんな事を…

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