紙面上
つばめいろ
紙の上の関係
昔は、結婚式を開くことで結婚の契りを交わす、周りに認めてもらうことだったのだろう。しかし今は、紙ペラ一枚書くだけで結婚の契りを交わせるし、周りに知らせることもできる。今となっては結婚式とは、ただのお飾りになっているかも知れない。
私たちの関係も言ってしまえば、紙の上のものだ。別に結婚しているわけではない。小説とは、元々そういうものだろう。この世界が小説であることに、私は気づいていた。だから、私と君の関係は紙面上のものである。この紙が無くなってしまえば、この関係が本当かどうかなんて確かめられない。
これは、婚姻届と同じだろう。無くなってしまえば、結婚してるかどうかなんて証明できない。紙面上の中で、婚姻届という紙面上に関係を証明するのは、なんだかおかしい気もする。この世界を記す紙が無くなってしまえば婚姻届なんて意味をなさなくなる。
だから、君とそんな紙を書くつもりはない。この紙の書き手も、物語を進めてもそのようなことを、私と君にさせないで欲しい。
紙面上 つばめいろ @shitizi-ensei
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
参加中のコンテスト・自主企画
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます