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こうして柊木真冬と早乙女芽衣は、中学三年生の夏に恋人同士となった。
二人が付き合い始めたという事実は、すぐに学校中に広まった。
二人はお互いの関係を周囲の人たちに隠すつもりはなかったし、それに朝、二人は一緒に登校をして、お昼には芽衣がお弁当を持って(二人の通っている中学校は私立の中学校で、給食がない)真冬のいる教室まで毎日やってきたし、それに放課後はどちらかが相手のことを待って、二人は一緒に下校をしたから、二人の関係は本当にあっと言う間に学校中に広まった。
あまりぱっとしない、冴えない男子中学生である真冬と、とても目立つ美人で花のある女子中学生である芽衣との関係は、最初はみんなが以外だと思ったのだけど、実際に一緒にいる二人を見ると、なんだかとてもお似合いの二人に見えて、それを変だと思う生徒は誰もいなかった。
忍と絵里も、真冬に「おめでとう」を言ってくれた。
真冬は芽衣とキスしたことを誰にも話していなかったのだけど、忍にだけは「で、お前らはどこまで進んでいるんだ?」と聞かれたときに「キスまで」と答えて、忍に冗談で首を腕で絞められたりした。
「……そっか。真冬にも彼女ができたか」と忍は言った。
「俺もそろそろ、彼女作ろうかな?」
「忍くんには、好きな人とかいるの?」真冬は言う。
「……うん。まあ、いないことはない、かな?」と忍は珍しく、少し照れながら真冬に言った。
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