第14話 同窓会


今日は、高校時代の同窓会だ。

あまり乗り気では無かったが、高校時代に仲良かった子は皆来るという事で、参加する事にした。



「怜だー!久しぶり!」



「うん!みんな久しぶり!」



久しぶりに会う友人達と会話とお酒が進む。



「で。どうなの?」



「なにが?」



「何がじゃないよー!イケメン君とのその後!」



そういえば、前に集まった時に、中野さんと付き合った話をしていたんだっけ。若干気まずさを感じつつ別れた事を伝えた。



「そっか…写真見せてもらって、凄くお似合いだったからさ。」



少し場が静まり、たまらなくなった私は、お酒をグイッと飲みこんだ。すると、突然周りがざわついた。



何事だ?と思い、扉の方へ目線を向けると、そこには、高校時代、有名だった田中 雅が居た。



高校時代も目立つ容姿をしていたが、歳を重ね、さらに磨きがかかっている。180cmはあるだろう身長に、切れ長の目元。短めの髪は綺麗にセットされている。



「(俳優とかできそう…)」



そんな事を思いながら、目線を戻し、目の前にある枝豆を口に入れた。



楽しい時間は過ぎ、一次会お開きの時間になった。



二次会に行く人の人数を数えている幹事に、今日は帰る事を伝える。もう帰るの?とみんなに言われたが、今日はいつもより飲んでしまったので、帰ると伝えた。



「またね。会えてよかった。二次会楽しんで!」



手を振り、二次会に向かうを人たちを見送った途端、少しの緊張が解けたのかお酒が回り始めた。ボーっとしていると、後ろからトントンと肩を叩かれた。



「は…い?え?」



振り向くと、二次会に参加したと思っていた田中 雅がそこにいた。



「本田、お前大丈夫か?飲み過ぎ?」



「あ…うん。田中 雅?どうして?」



「お前のフルネーム呼びは相変わらずだな。」



くくくっと笑う顔は、芸能人並みにかっこいい。



「なんか、田中 雅は、フルネーム呼びがしっくり来るんだよね。」



「それより、大丈夫?なんかフラフラしてるけど。家帰れる?」



「うん。タクシー拾う。」



「それがいい。俺、タクシー拾ってくるから、待ってろ。ここ動くなよ?」



「分かった」



そう言って素直に田中 雅を待つ事にした。



「だいぶ飲んでしまった…」

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