第8話 条件有りの世界へは

次の日、私はまたあの線路に向かった。


だがその日の朝はクジラの声が聞こえなかった。


それのせいか、


この前のように線路を通っても何も起きなかった。


それで分かったことがある。


あの水中世界に行ける条件は


『朝、クジラの声が聞こえること』



『遮断機が閉まる音の少し前に渡ろうとすること』


が条件ということに気がついた。


今日は土曜日。


まだ休みは1日残ってることだし、


明日条件が揃えばいいんだけどな..。


そういえばあの水中世界。


今思えば息できたような..。


それにこの彼岸花も結局、


なんで貰ったのかも分からないし。


明日、水中世界に行けたら聞いてみようかな。


水中世界の空くんに。






気づいたら寝ていたようだった。


昨晩は色んなことを考えてから寝たから


身体が疲れてたのかもしれない。


その時、切なそうで不気味な聲が聞こえた。


『きた!!』私はそう思い、急いで線路に向かう。


遠くの方で踏切の音が聞こえる。


次に鳴り始めるのは約15秒後だから...

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