初恋の思い出

@Marika0119

第1話 お菓子の意味

「バレンタインのお菓子の意味って知ってる?」

「急だな。」

急になにを言い出すんだコイツ。いま十二月だぞ。そんな私の脳内を知ってか知らずか、奴はこう続けた。

「オレ嫌いな奴にはグミ贈るわ〜。」

「嫌いな奴にはマシュマロじゃないの?」

持ってる知識を駆使して会話を切り返す。

「いや、グミの方がマシュマロより気持ちが強いんだよ。」

なんだコイツ。知識自慢か?そうかそうか、そんな知識豊富の君にはバレンタインに飴でもくれてやろう。

「というかなんで急にバレンタイン?あっ!もしかして渡したい人でもいるの?」

お前がずっと片想いしているあの子にでも渡すつもりなのか?まあ別に、興味はないけど。

「いやいや、まだ早いよ!」

先にバレンタインの話してきたのお前じゃね?まあいいか。

「そうだ。ちなみにキミにバレンタインでお菓子贈るならチョコにするよ。」

「チョコ?」

義理か。まあ貰えるならキャンディのほうが嬉しいのだが。それにしても、チョコの意味ってなんだっけ?

「そう。チョコの意味は、あなたと同じ気持ち、だよ!」

やめてほしい。期待してしまうではないか。でも。

「友達ってこと!」

そうだよね。友達だよね。そう思ってくれてるんだよね?嬉しいんだ。嬉しいはずなのに。

それじゃあね〜。そう立ち去る奴の背中を見つめながら思う。

友達なんか、なりたくなかったな。





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