短い物語
由南りさ
僕の片思い
今日も君に会えるかな
僕はいつもの時間にいつもの場所で君を待つ。
僕が君をはじめて見たのは
そう僕がこの町に来て間もない頃。
慌てて改札を抜けようとした君は荷物が挟まり大変だったね。
雨の日、傘を忘れた君は僕の前を急いで通り過ぎた。
雪の日、君は僕の頭に傘をかざしてくれた。
僕が見てること……気づいて
僕が君を好きなこと……気づいて
毎日僕の前を通り過ぎていく君……
僕は……ただ君を見ているだけ
いつも僕は……立ち尽くすだけ
笑顔の君が好き
可愛い君が好き
僕の前をいろんな女性が通り過ぎていったけど
僕の前に立ち止まってくれた女性はいたけれど
やっぱり君じゃなきゃだめなんだ。
身動きがとれない……
ただ、立っているだけの僕。
笑顔で僕に近づく君。
「お地蔵さん……私の願いが叶いますように」
今日も君はいつもの時間に僕の前を通りすぎる。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます