おフランス料理でございますか!?
司之々
1.気合い充分です
二〇二四年オリンピックの興奮も二〇二八年までは冷めやらぬ気がします今日この頃、開会式のマリー=アントワネット王妃の扱いが納得いかない歴史マニアの皆さま、いかがおすごしでしょうか。
エッセイなどとお
なんと、タイヤ会社の星が輝く高級おフランス料理店での会食に、仕事で列席することになったのです!
自他共に認める、バカ舌の私です。そして、節約一ヶ月もの食費に相当するお値段が、会社さまの
ありがたき幸せながら誠に恐れ多き次第にて
進んでも爆死、
あ、この
マスコミの情報操作は、古今東西、あんまり変わらないのですね……閑話休題。
ドレスコードの最低許容ラインをヤフ◯検索し、おフランス料理のなんたるかをウィキ◯ディアで学習して、メニュー表をグ◯グル先生で翻訳、当日に臨みます。どんとこいです。
しかも内容は九皿フルコースのワインペアリング、一皿の料理ごとにシェフのおすすめワインが出るという至れり尽くせりです!
ワインを選ぶなんてス◯バの注文すら超える最高難度、たとえ在庫処分のお安いワインを出されるとしても、一番安いやつを、と口にする切なさが回避できるだけで、感謝しかありません!
問題は九皿の料理=九杯ものワインを飲めるのか、という点ですが、そこは前日のディナーにレバニラ炒めを食べて対策済みです。マイ肝臓、気合い充分です。
パーティーメンバー(文字通り)が着席し、難しくもハイソな談笑が始まります。末席の平民として、無意味な相づちに終始します。
静かな心で歴史に思いを
いかに私のバカ舌を持ってしても、ここで経験したことは、必ずや創作の
ウェイターさんが洗練された動作で、食前酒のシャンパンを
待ってください。それはメニュー表に載ってません。
先に進みたければぼくを倒してから行ってくれ、と、決戦におもむくアントワネットさまの前に親友のフェルゼン伯爵が立ちふさがる、ようなシチュエーションです。
あなたとは争いたくない、君を守れる強さが欲しかった、一緒だからここまで来れたのに、ぼくはずっと君の背中だけを追いかけていたんだ……幻覚に盛り上がっていても仕方ありません。
幸い、
意を決して飲むと、口の中にフルーティでスパークリングなシャンパンゴールドが広がります。シャンパンなんだから当たり前です。
そしてウェイターさんが、笑顔でグラスいっぱいに
知ってたよ……あなたが強いなんてことは、誰よりも知ってたよ……!
すでに泣きそうです。戦いはまだ、始まってもいません。
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