【カクヨム短10参加作品】 毒舌
石のやっさん
第1話 親友に恋人を奪われた
「ゴメンね、私邦明くんと結婚する事にしたから」
「悪いな、俺達結婚を前提につき合いだしたんだ」
食堂で飯を食っている俺、泉純也目の前に来て、幼馴染で俺の彼女の三上陽子が、これまた親友の松岡邦明と腕を組みながらやってきて、言ってきた。
俺は目を疑った。
「これはなんの冗談だ……陽子、お前は俺の彼女だよな!」
「確かにそうだったけどね、純也と付き合っても最近はときめかないし、私達って幼馴染から長い事付き合っていたじゃない? いい加減飽きたのよ、それに松岡くんの方がカッコ良いし優しくしてくれるから、ゴメンね」
陽子とは小学校からの付き合いで今は25歳。
そろそろ結婚を考えてプロポーズをしようかな。
そう考えていた矢先ににこれか?
「松岡、お前とは大学からの付き合いだし、お前モテていただろう? なんでわざわざ俺の恋人に手をだすわけ!」
三人とも同じ会社だし、今後気まずいだろう。
他の奴らや上司だって俺と陽子の関係を知っているのに。
「悪いな好きになっちまったんだ仕方ないだろう? それに幼馴染に胡坐をかいて陽子をないがしろにしていたお前が悪いんだぜ」
「そうか、わかったよ……それじゃお幸せに」
陽子の家とは家族ぐるみのつきあいだ。
家も近所だし、かなり気まずい。
確かに陽子は俺の彼女だが、婚約をしていたわけじゃない。
これ以上話しても仕方が無い。
俺は寂しい気持ちを押さえながら、食いかけのアジフライ定食をかたずけ社食を去った。
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