吸血
無事にローズを自分の配下とすることに成功した僕はそのまま彼女をリュース王国の王城にまで連れ帰ってきていた。
ただし、大きなローズが入るような部屋など何もない。
僕たちは王城の中には入れてもらえず、中庭に放り出されていた。
「……な、なにあれ?」
「あ、あれって伝承に語られているラミアじゃあ……」
「しっ!同盟国のお仲間なんだよ?……私たちの発言で気分を損なって敵対されたらぁ」
「ひっ!?」
そんな中庭で堂々と晒されている僕とローズは今、リュース王国の王城内にいる人たちからの注目と畏怖を一心に集めていた。
「ふんふんふーん」
とはいえ、そんなの今更気にしない。
僕は龍。なんか色々なことに寛容となっている気がしていた。
今なら前世で散々行っていたSNSでのレスバにも仏の心で対応できるような気がするよ。
「あ、あの」
「んっ?」
ローズの柔らかい肩の上に乗り、日向ぼっこをしていた僕に対し。
「……血を、吸わせてもらえないかしらぁ?」
いきなりローズが僕に向かって、血を吸わせてくれという要求をしてくる。
「なんでさ?」
「へ、へへ。あの血を吸った時の感覚が忘れられないのよ。極上の龍の血っ。私の体にみなぎる無限かと思うほどの力に、魂へと触れるあの感覚。一度味わっちゃうとぉ……」
「僕は麻薬か何か?」
何で僕の血に中毒者が出ているんだ。おかしいでしょ。
「……ダメ、かしら?」
「まぁ、別にいいけど」
僕は特に嫌がることもなく自分の手のひらを寝っ転がったまま、ローズの元へと差し出す。
「おほっ」
それに、吸血っていうスキルは相手の血を絞り切って殺し他にも、吸って得た魔力をレベルに変換することもできるらしい。
僕の血を吸わせておけば成長する。
だというのなら、吸わせておくほうがお得だろう。
「失礼して……」
差し出した僕の手のひら。
それをこちらの方に顔を持ってくるローズがおっかなびっくりに口へと咥える。
そして、その歯を突き立てて僅かな傷を作り、そこから出てくる血を舌で舐め始める。直接歯から吸うような行いは今回に限り、しなかった。
「うぅんっ……」
あっ、ちょっと手を舐めるのくすぐったい。変な声出る。
「はぁ……はぁ……はぁ……」
「……うぅん」
なんか、絵面が大変なことになっていない?
見た目が幼い少年である僕の手のひらを一人の女性が頬を紅潮させながら口にくわえている……何かしらのプレイでしょ、これはもう。
「……また、増えたんですか???」
なんてことをしていた中で、下の方から明らかに苛立ちを含んでいるレーヴたんの声が聞こえてきた……あっ、ちょっ、今の構図は駄目かもしれない。
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