第6話 アンヴォー洞窟へ

 以前シェインとキャリナが狩ったブラッドウルフから獣除けの臭いを漂わせて獣道を歩む。…正直気になる臭いだ…。


「確かここの岩にあるって書いてあるけど入口らしきものはないぞ?」

「本当ね。イェル、ここがそうなの?」


 ボクは頷き、岩の前まで歩く。体内の魔力を生成するイメージを出す。岩の姿を変える魔術を念じて…。我、大地を司る魔術を持つもの…真実を知る為に真な姿に変わりたまえ!


 ゴゴゴゴッ!!


 岩は大きな門へと変化していく


「あの子魔術を使えるのね!」


 キャリナはボクの魔術ではしゃいでいた。今考えたけど、シェインとキャリナって魔術士いないの?


「よーし!ちゃっちゃと向かいましょうか!」

「シェイン!抜け駆けはダメよ!行こうイェル!」


 ちょっと心配になってきた気がする…。


 洞口の中は階段を下るだけの一本道で気づけば大きな像の前に来た。本当にモンスターはいないのか?


「意外とあっさりじゃん、あとはその像の仕掛けをなんとかするだけだな」

「敵が来たらすぐに撃退しちゃうわよ!」


 後ろは2人に任せてボクは像を調べた。…どうやら竜人族が使う文字で書かれている。えっと…『真実を知りたくば風に音色を、闇から超えたければ番人を倒せ』と…番人がいるのか?!


 突如、地震が起き銅像が崩れていく…いや、表面が剥がれているのだ。

 現れたのは身体が鉱石の巨竜だった。


「銅像から出てくるのぉ!?」

「名前はまさにクォーツドラゴンってか」



 これから命を賭けた戦いになる…。

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