ヒーローの条件 

ななし野和歌

プロローグ ~死刑執行  蓮華、17歳。七夕の日~

「ありがとう。あなたのことが好きでした。ずっとずっと好きでした」



静かに頭上から黒いとばりが降りてゆく。



琴野蓮華17歳。


此処に死罪が確定し、最期の時を迎える。

処刑方法は凄惨な「き」。

肉体から魂を無理やり引き剥がし、死後の国、幽世カクリヨへ囚われる。

肉体は川を流され溺死とされる。


最後に蓮華は想いを告げた。

好きだった人に。



死刑回避、情状酌量のためには主人公からの告白が必要。

「僕もキミが好きだ」という。

でも得られなかった。



だってこのヒロイン、、、。



他に言い残すことは無い。

ただ蓮華の頬を冷たい涙が伝い落ちる。


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