悪い影
原 耕貴
1-1
2024年、6月12日。
とある日本海側のとある都道府県にある、遊ぶところは某ショッピングモールのみ、チェーン店は通常の都市よりも少なくメインストリートは少し殺風景で、有名な店舗ができるたびに大きな噂が立つ、いかにも少し栄えてる田舎のような町の中に違和感としか言いようのない大きなマンションの最上階の部屋の勉強部屋のデスクに1人の少年がパソコンのディスプレイに向かい、1人で喋っていた。
その少年の名は「畑村純一」(はたむらじゅんいち)と言い、ごく通常の市立中学校に通ってる中学2年生だが、「複数」一般的な人間と違うところがある。
まず、畑村は全国的にも珍しい美貌を持っており、去年は、全国の中学1年生の男子ミスターコンで優勝を果たしている。異性からの人気はものすごく、年下、年上、同級生など様々な世代からの人気もすごく、バレンタインデーのチョコレートの数は、恋愛漫画のイケメンポジションの登場人物にも勝ってしまう、200個を超えるほどだった。テレビなどのメディアにも何度も出演している。
これだけならまだしも、畑村は違う。畑村は、運動、そして頭脳も天才的と言えるほど凄かった。IQは脅威の130、そして陸上部に入っている彼は、男子100メートル競走、走り幅跳びで其々100メートルは10秒32、走り幅跳びは7m51と当時の日本中学の記録を大きく上回り、まさに数々の人々から「神童」と呼ばる程であった。
畑村がいたからこそ、中途半端に栄えていた町が少しでも活性化したと言っても良いだろう。
そんな畑村に同中のごく普通の連中が嫉妬しない訳もなかった。
そんな畑村だが、彼はこのことから少し調子に乗りつつあり…というよりだいぶ調子に乗っていた。彼は、調子に乗っても許される程の才能を持っているが、彼の調子の乗りようは異常なほどだった。何なら、彼の調子の乗りようを見たものが彼を冷めるのもおかしくないほどだ。
彼は、有名になった途端、某SNSアプリで自己アピールをしまくり、そのフォロワー数はたった3日で、脅威の50万人を超えた。完全に畑村は自分が有名人だと錯覚していた。しかし、一部からの評価は、だいぶ最悪であった。そう、畑村を嫉妬する同中の連中であった。しかしそんなことを畑村はハエが首に止まったぐらいに気にも留めなかった。
だいぶ調子に乗った畑村はそのSNSアプリで、恋愛相談を受け付けることにした。ある時はLIVE配信、ある時はダイレクトメッセージなど、多種多様な方法で相談を集めた結果、この恋愛相談は大好評となり、今では畑村のLIVE配信では、2000人近くの畑村ファン(一部のみ)が閲覧するようになった。
そして今畑村は自身の自宅でまたLIVE配信をしている。
畑村 「今日はこれで終わります。皆んな今日も観に来てくれてありがとうね。」
と、畑村は自分がスターとでも勘違いしたかのように一言残して配信を切った。
配信を切った後、畑村は自惚れたように自分のLIVE動画を見返していると、配信を切った瞬間、一件のコメントが来ていることに気が付いた。
畑村 「やべっコメント来た瞬間に切っちゃった。」
畑村は少しの後悔を残しながら、コメントをした主にダイレクトメッセージを送ることにした。
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「先程はコメント返せてあげられなくてすみません。詳しく相談聞かせて下さい。」
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畑村 「これでよしっと。」
畑村は独り言を言いながらメッセージを送信した後、晩御飯が用意してあるリビングへと向かった。
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