暇なとき書く短編

クワトロフォルマッチ

着物の人

あの時俺は片道2時間かかる学校に通ってたんだ。

何だったかな、何かの用事でその日は残って駅に着いたとき既に七時半超えてたんだ。冬だから真っ暗で、心のなかで過去の自分に文句言いながら帰ってた。

その時、小学校時代の親友から電話がかかって来たんだ、

「どうしたんだ?」

「今から俺の家に来ない?」

「急にどうして?」

「間違えてネットで大量の菓子を買っちゃって、食べきれないんだよ」

「お前金欠だったろ、大丈夫か?」

「正直ヤバいから、無駄にしたくないんだよね」

「わかった親には適当に言い訳考えとくから、すぐ行く」

そんなギリギリ日常に含まれそうな会話をして、電話は切れた。

俺はその親友の家行って、菓子をいっぱい食べたわけよ。

晩御飯食べれるかなって心配してた時、親友の塾の時間だったからお開きになったんだ。

そん時8時ぐらいだったかな。

「こんな遅い時間に塾あるのかまだ受験の時期じゃないだろ」

「いや本当に面倒くさくてさ、この時間になると腰も重くて、次サボったらヤバいんだよね」

「へ〜、まぁ暇だから俺もついてくわ」

まぁ下手についてったから怖い思いしたんだけど、そんなこと思わず腹ごなしついでについてったんだよ。

友達は自転車でまたがって、少しは手加減してくれたけど、俺は必死についてった。

その途中に墓場があってな、あの人幽霊かもね、みたいな冗談言いながら向かってた。

そろそろ体力がついてきたから、途中で諦めて、またなって言って別れた。

そのまま逆戻りすればいいんだけど、さっきの墓場の場所で急に車が走ってきて、避けるために墓場の、、掃除以外ではあんま乗らない段差の上ってわかるか?に乗ったんだよ。

それで俺は完全に怖気づいちゃってわざわざ明るい方の道行こうとして迷ったんだよな。その時ギガがなかったから、まぁ大丈夫だろって地図アプリ開かずに、LINEしながら適当に進んでた。そしたらなんかボロボロの木造建築があったりする暗い場所に出て、無性に怖くなったんだ。

その時、着物来た集団が前から歩いてきた。

なんかあったかなとか思ったけど、おかしいんだ。

大人数だし少しぐらい会話があって良いだろ?まぁその時はお通夜かなって思ったんだけどさ。

その集団の動き方が歩くっていうより点Pみたいな、座標で動いてるみたいな動きで、一人と当たったんだけど、速度も全く変わらなくて、怖くなって逃げたんだよ。適当に逃げてたら目印にしてたクリスマスの飾り付けした家を見つけて、びくびくしながら帰ったんだ。

その後何かあったわけでもなく、順調に家に進んでいって、最後の階段を上がれば家ってところだったんだけど、後ろに車が通ってきて、何故か気になって、その車をボーっと眺めてたら、一人の着物の女の人が出てきた。

俺はその時の記憶が最後だな、気づいたら階段の下で擦り傷だらけになって寝てた。

親は心配が勝ったようで怒られなかったよ

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

暇なとき書く短編 クワトロフォルマッチ @oukadesuyo

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る