マユコ、どこに居るの

天川裕司

マユコ、どこに居るの

タイトル:マユコ、どこに居るの


今日、友達のアパートに遊びに行った。

「もうすぐ着くよ〜」

ってメールしたけど返ってこない。

「…あれ?おかしいなぁ」

と思いながらも

とりあえずアパートまで行く。


昨日、今日の昼過ぎに会うって確かに約束した。

たぶん何か用事してるんだろうと思いつつ

ピンポーン♪とインターホンを鳴らしてみた。


すると中からダダっと足音がして、

「あ、はい?」と男の人が。


「あれ?部屋間違えたかな」

と思ったけど、どうやら彼は弟らしい。


弟「あ、お姉ちゃんの?今さっきコンビニにお菓子買いに行くって出て行ったんですけど」


「あそうなんですか?」

ちょっと困ってると、

弟「…確かお姉ちゃんのお友達の、ユカリさん…って方ですよね…?」

「あはいそうです」


そう言えばこの弟、

前に1度だけあったことがある。

チラッとしか見てなかったから

印象薄かったけど、思い出した。


弟「よかったら待ちますか?もうすぐ帰ってくると思うんで」

と弟はドアを開けて

私を部屋へ上げようとしてくれた。


まぁ安心して、部屋に上がり、

少し待たせてもらうことに。


「すみません、押し掛けちゃって」

弟「いえ別に大丈夫です♪あ、お茶でも?」

「あ、いただきます。ありがとうございます」


でも私の目の前のテーブルにお茶を置いた後、

その弟の表情はどんより曇ったものに。

まるで無表情になり、

1点を見つめてじっとしていた。


変だなぁと思いつつ、

ちょっとだけ怖くなった私。

でも何か仕掛けてくるふうでもない。


そのとき玄関のドアがガチャンと鳴り、

「ただいま〜」と。

「(あ、マユコ帰ってきた♪)」

そんな状況だったから

少し助け舟が来てくれたようでホッとした。


まるで無口な弟?…にしても

気まず過ぎたから。


でも、声がしてから

マユコは一向にこちらへやって来ない。

たまりかねてリビングから

玄関の方を見ようとした時、

私の携帯が鳴った。


「あ、はいもしもし?マユコ?」

と言おうとした直後、

「助けて…」と一言。


その瞬間、

異様に弟のほうが気になり見てみると、

弟の視線はずっとトイレ…?

のほうを凝視するように見つめていた。


動画はこちら(^^♪

https://www.youtube.com/watch?v=5rFfqUfhuHw

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マユコ、どこに居るの 天川裕司 @tenkawayuji

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