歩けなかった2023年よりも外へ出られるようになった2024年

 何も足りなかった。


 時間も。

 金も。

 仲間も。

 そして経験も。


 だから外へ顔を見せられなかった。

 2023年は好きな場所へ出かけていた記憶も多いはずなのに、どこか足りなかった。


 2024年は外へ出られないかわりに今できることをしていた。


 楽器をひいて、ドレミを覚えて、動画練習もした。

 ペラペラとしゃべれる人がうらやましかった。

 そんなに面白い話もできなかったし、明るい性格でもないから。


 今でも前向き人を見ると胸に痛みが走る。

 自分にはできないことをみんなできてしまっている。


 ああ。

 これも矢印が相手をむいていない。

 ひとりよがりから卒業するんじゃなかったのか。


 暑すぎる夏はただ何もできていないとひとりで責めつづける自分のいたらなさを刺激するかのように体力をうばう。


 だからこそ考えた。

 今、何が誰につながるか。


 そのためにも価値を言葉にしたかった。

 10周年をむかえた宝物のコンテンツがイベントをやっていたので参加して楽しめた時の記憶と大切にしていた頃を思い出したから。


 足りなくても今あるカードでできることはあるはず。

 負けてたまるか。


 固定概念こていがいねん時勢じせいに。

 だんだんかわいていく世界にうるおいを取り戻すよう願いながら。


 今日を実感するために進んでいく。

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