欠けていても負けるものか

 逃げだしたい現実。

 逃げて負けてばかりの自分。


 どこか海の中でしずんでいくなか、そのまま底に落ちて死んでもいいと勝手にあきらめていた。


 強い言葉しか周りにも自分にもかけてあげられながった。

 そんな事実がにくたらしいから毎日を生きていたはずなのに。


 誰からも声をかけられることもなく、助けを求めることもなかった。


 冬はずっと長く2024年開始から心臓を何者かににぎられていた感覚ばかりだった。


 でもじつは責任を押し付けられるから安心していたのかもしれない。


 どこか欠けていてもしかたないと。

 寒い冬でストーブをもとめるように、空いた穴を誰かに見せつけながらないものねだりをしたってしょうがないと。


 それを負けぐせと言うのかもしれない。

 もしかしたら世間の作戦にのせられたのかもしれない。


 でもただそれを受け入れられるほど良い人間ではなかったのかもしれない。


 冬があけて災害さいがいに近い熱さが待っているなかでちゃんとくっしないように問いをたてると決めた。


 それからでも遅くないと信じて。

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