鬱ゲーの友人Aに転生した男が女主人公を影で助けていたら気がついたらハーレムを築いていた

山田空

第1話 絶対に報われない鬱ゲー

祝福学園というゲームの世界に俺は転生した。


このゲームは全く名前とはちがい鬱ゲーである。


最初は女性主人公が女の子や男の子を攻略していく恋愛ゲームとして売り出されていたが発売されてプレイされてから化けの皮がはがされる。


ほとんどの登場キャラクターは死亡する。


一番最初に死亡するキャラは山田啓介やまだけいすけ


物語の友人キャラとして場を盛り上げる役割を持っていた。


いわゆるギャグキャラだ。


山田啓介は第1章のラストで死亡する。


そんなキャラに俺は転生していた。


俺はこの鬱ゲーをぶち壊してタイトル通りの誰もが報われるゲームにしたい。


そのためには俺が死亡する展開を回避する必要がある。


俺は女主人公三笠 研磨みかさ けんまが報われるため助けることにした。


幸いいまはまだ物語が開始する前のようだ。


俺はベッドから起き上がり鏡を見た。


そのときに自信のどこにでもいそうな顔と平凡そうな身長とスタイルを見た。


そして俺は気がついた。


山田啓介に転生していることに


カレンダーを見ると物語が開始する半年前であることがわかった。


物語は祝福学園に三笠が入学してから始まる。


そのためまだ俺と三笠は会っていないはずだ。


ならば俺は鍛えておこう。


それに勉強もしておこう。


頭のよさも柔らかくしておこう。


じぶんの出来る限りのことをしておく。


ちなみに学園に関しては既に合格していた。


ベッドの前に机があってそこに合格と書いた紙が置いてあった。


半年後




俺は祝福学園の校門をくぐる。


今の俺の体格は白のシャツを着ていてもわかるほどに筋肉がみちみちと音をならしていた。


俺から熱が出ているようで周りからはなんだこの人みたいな目でみられていた。


遠目で眺めている人が多かった。


明らかにやりすぎた。


これ三笠と出会うとかそういう問題ではないかもしれない。


三笠は元々あまり目立ちたがる性格ではなく教室の隅っこにいるような女のこだ。


そんな女の子がこんな入学式前から目立っているような男と仲良くなりたがるかいやない。


ヤバい死亡フラグを回避しようとして出会いフラグまで壊してしまった。


どうなる俺の学園生活


そんな時既に遅しな事実に気がついて驚いていたら1人の女子生徒が話しかけてくる。


「あなたそんなところにいたらみんなの邪魔になるわさっさとどいてくださる?」


「うん?ああわるいな」


「いえどいてくださればいいわ」


今の金髪でどこかのご令嬢みたいな雰囲気を放っていた女子生徒は如月 きさらぎ めい


このゲームのメインキャラの1人だ。


如月も不幸な目に遭うんだよな。


まあそんな雰囲気はないわけだが


かっこよく礼儀正しくみんなの前に立つそんなリーダー的人物


俺はひっそりと人気がない場所に向かう。


このままでは悪目立ちするというのもあるが女主人公である三笠に出会うためだ。


体育館裏で座り本を読んでいる美少女が1人いた。


「ああ人が来た」


長い黒髪からチラリと見える顔は一目見るだけでだれもが惚れてしまいそうなほど整っていた。


面倒くさそうで見るからに眠そうでボサボサした髪がその全てを台無しにしている。


うーんやはり少しずつ成長していく主人公とはいえ見るからにヤバそうだよな。


……いや俺がいえることではないか


「はあそれにしてもこんな人気のない場所に人がくるなんて……もしかして私に用事?なわけないか」


自意識過剰な女の子……こんな主人公がよく人気あるよな。


いや成長していい女性になるんだよ。


死ぬんだけど。


「君に用事はない」


背中に弓矢が刺さったようにうなだれる三笠は見るからにショックを受けていた。


まあ用事があったのは事実だが用事があるといっては気持ち悪とかいって去られる。


だからこれで正しい。


三笠は立ち上がり俺に向かってくる。


キレていることがわかるほどに髪を乱暴になびかせながら向かってくる。


「はあそんな見るからに筋肉ムチムチでヤバそうな雰囲気を出しているやつにいわれたくないんですけど」


「どこがヤバそうだ」


「暑いんですけどここだけ気温がちがうんですけど」


「努力の証だ」


「暑苦しくていやですね」


「そうかおまえは面倒くさそうでいやなやつだな」


「はあなんですかなんでそんなに私をイラつかせたいんですか殺されたいんですか」


「殺すなんて言葉はあまりいわない方がいいぞ」


「ありがとうございます」


「それで俺の名前は山田啓介きみの名前は」


「あはは急に自己紹介ですかヤバいやつですねまあいいですよ私の名前は三笠研磨です男みたいな名前ですから男女っていわれてますよええ」


もうなんかほっておいてもじぶんの黒歴史を掘り進めていく。


そんな彼女を見ていてどこか可愛らしく感じてくる。


「そうか?俺は可愛らしい名前だと思うけどな」


「あっそうですかバァカ」


そういっておこって去ってしまう。


まあいいこれで一応三笠との接触はできた。

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鬱ゲーの友人Aに転生した男が女主人公を影で助けていたら気がついたらハーレムを築いていた 山田空 @Yamada357

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