親友のラブコメを全力で応援する最強の霊能力者~ラブコメに挟まれる魔は絶対祓うマン~
あくはに
第1話 ラブコメこそ至高
「ラブコメこそ至高」
日課の座禅が終わり1番最初に発した言葉だ。
これを誰かに言うとドン引きされるが、俺は一切の異論を認めない。
おっと、自己紹介が遅れたな。
俺の名前は
まぁ、表向きはそうなっている。
実際は、先祖返りにより強力な力を持ったガチの霊能力者である。800年頃~1700年頃まで天器神社は魔を祓う一族が管理する神社で、祓魔を生業にしていたそうだ。今も、ガチでヤバい呪物等を管理、浄化、
なんでも、「魔で困ったら天器へ行け」と言われていたらしい。
さて、話を戻そう。
俺には親友の
小学生で初めて出会った時に驚いたよ。善性の塊、穢れなき美しき魂、こんな人が存在するのかと。
前世で一体どれほどの徳を積んだのやら。
あっ、俺は魂を視ることが出来るし、前世もちゃんと存在するからね。
そして、裕翔とは意気投合して仲良くなり今では互いに親友だと認識している仲だよ。
それに、まぁモテる。それに、美少女との縁が凄い!
裕翔と縁のある美少女達を列挙するとしよう。
美少女幼馴染みとその親友、美少女義妹とその親友の美少女後輩、うちの学校の美人生徒会長とその付き人の美人先輩。
計、6人と縁がある。
しかし、全員が裕翔のことを好きなのかは俺も分からん。むしろ、それでいい。俺としては、後ろでニヤニヤしながらラブコメを見ていたいのだ。裕翔が鈍感なのは見ていて焦れったいのでポイント高い。
そして、それが俺にとっての癒しなのだ。妖や呪い、呪物を殺った後の荒んだ心に染みるのだ。
「理空、裕翔くんが迎えに来たわよ〜!」
確かに、居間の方から4人の気配がする。多分、裕翔と幼馴染みとその親友と義妹ちゃんだろう。
「あいよ〜」
修行着から制服に着替えて居間に向かう。
「うぃっす!おは〜」
そこには、一見平凡な裕翔とボブカットで制服の上からでも分かるグラマラス体型な優しげ美少女『
「おはよう、理空」
裕翔が爽やかに
「天器くん、おはよ〜」
阿澄が穏やかに
「おはよ」
八雲がそっけなく
「おはようございます。理空さん」
舞ちゃんが健気に
挨拶1つを取っても、それぞれ個性が出ていて面白い。
「おう。じゃあ、彩葉を拾いに行くか。ついでに、リルの散歩も一緒にしとくか」
そうして、外に出てから、みんなと少し離れて神社の奥の方に霊力を飛ばしてリルを呼ぶ。
一拍置いて、一陣の白い風が吹く。
「ワフッ!ヘッヘッヘッ!」
そこにいたのは、純白の美しい毛並みと金色の瞳をした大型犬くらいの狼であり、コイツがペットのリルであり、正体は原初の
みんなには、拾った犬だと言ってある。実際、北欧の森で調伏もとい拾ったのだから嘘は言っていない。
リルに首輪とリードを取り付け、みんなの元に戻る。
「おまたせ」
「ワンッ!」
そうして、彩葉の家に向けて歩き出す。早速、阿澄が裕翔に明らさまなアプローチしているが裕翔がそれに気付く気配は無い。
そして、もう1つ裕翔と話したいという気配を感じる。
「舞ちゃんは、裕翔にアプローチしなくていいの?」
右隣を歩いている舞ちゃんに聞くと、ボンッと顔を真っ赤にする。
「い、いえ、だっ、大丈夫です!」
舞ちゃんは反応が良いから、少しからかいたくなるんだよなぁ。
なんか、義理とはいえ兄に恋愛感情を向けることに迷いがあるのか舞ちゃんはいつも一歩下がっているような気がする。
なので、俺がコテ入れをしよう。
「裕翔、舞ちゃんがお前に話あるってよ〜」
隣ですごいあたふたしている気配を感じるが心を鬼にして舞ちゃんの背中を押し裕翔に押し付ける。
「舞が?どうしたの?」
いきなりの展開で頭が追いついておらず目をグルグルさせている舞ちゃんをニヤニヤしながら見ていると、左から肩を軽く叩かれる。
「何してんのよ?」
八雲がジト目を俺に向けてくる。
「フッ、恋する乙女の背中を押してやっているのさ!」
俺の言葉を無視して、八雲がリルを撫でながら語りかける。
「リル。アンタは天器みたいな馬鹿にはならないでね」
全く、八雲は何を言っているんだ?リルが俺を馬鹿だと思っているはずないだろ?
「ワンッ!」
えっ!?リルさん?
「よしよし、良い子ね」
リルに裏切られた衝撃でポトリと持っていたリードを落とすと、リルがそれを咥えて八雲に渡す
そんな感じで、話しながら歩いているといつの間にか彩葉の家の近くまで来ていた。
「せんぱ〜い!!」
ちょっと離れたところで彩葉がこっちに向かって駆けて来るので、俺も駆け出す。
「彩葉〜!!」
このまま行けば俺と彩葉の抱擁になるかと思いきや、スルリと俺を躱して裕翔の所へ行く。
「理空はいいの?」
裕翔が俺はいいのか?と彩葉に聞く。
「はい!理空先輩はこれでいいんです!」
グハッ!
「天器」
八雲が俺の肩に手を乗せる。
傷心の俺を慰めに来てくれたのか。やっぱ、八雲しか勝たん。そう思い振り返るとニヤニヤした八雲の顔が視界に映る。
「どんまい(笑)」
......
「うわぁぁぁぁぁぁん!!」
ダッシュで学校へ向かう。もう、みんななんて知らないんだからねっ!!
「おう、天器さんのところの長男坊じゃないか!気を付けるんだぞー!!」
うちによく参拝に来るおじさんに声をかけられる。
「分かったー!おじさんも気を付けてねー!うわぁぁぁぁぁぁん!!」
******
さて、学校に着いたが裕翔たちが来るまであと15分といったところだな。
暇だ。
学校の結界の点検と妖がいないか見回りでもしとくか......
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
新作です。
これからは、コチラともう一方の方を同時並行で執筆していこうと思います。
E級ダンジョンを攻略出来ない最弱で最強なS級探索者(旧題このS級探索者は、一階層しかないE級ダンジョンすら攻略できません。~実際は、一階層ボスが強すぎる件~)
親友のラブコメを全力で応援する最強の霊能力者~ラブコメに挟まれる魔は絶対祓うマン~ あくはに @Akhn496
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。親友のラブコメを全力で応援する最強の霊能力者~ラブコメに挟まれる魔は絶対祓うマン~の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
参加中のコンテスト・自主企画
関連小説
ネクスト掲載小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます