第6話「アキト、冒険者ギルドに行く」

 懐が豊かなアキトは、王都の一番いい宿屋で身体が蕩けるほどに眠った。

 宿屋の人が心配するほど、三日三晩眠り続けたアキトは心身ともにリフレッシュした。


「ふぁぁああ、よく寝た」


 そして、よく飲みよく食べて、またくさるほど眠り。

 目のふちに隈が多くて険しい顔だったアキトの顔も少しは和らいだ後。


 宿屋の人に聞いて、冒険者ギルドにやってきていた。

 そう、異世界ファンタジーを楽しむなら、冒険者ギルドしかありえない。


 物見遊山の気持ちもあったが、生活していくには、何らかの方法でお金を稼がなければ生きていけない。

 召喚術師だし、冒険者としてなんとかやって行けるんじゃないか?


 そんな軽いノリで、やってきたアキトである。


「いらっしゃいませ。もしかして、初めての方ですか」


 冒険者が行き交うロビーをキョロキョロしていたら、すぐに受付嬢のお姉さんに捕まる。

 お姉さんと言っても、二十九歳のアキトよりは凄く年下で、二十代前半くらいの若い女の子だけど。


「ああ、はい。初めてです」


 なんだかこの歳で初めてって、気恥ずかしい。

 こんなおっさんが新規登録してもいいものだろうかと気も引けたが、受付嬢のお姉さんは優しかった。


「アハハッ。誰でも最初は初めてですから、丁寧に優しくお教えしますからね」

「それは、どうも」


 なんか、年下のお姉さんに言われると、アキトも変な気分だ。


「では、先ずお名前をこちらに。はい……砂川アキトさんでよろしいですね。失礼ですが、鑑定の水晶でスキルチェックをさせていただきます」

「どうぞ」


「まあ、有用なスキルがたくさん。それにとても珍しい召喚術師のスキルをお持ちなんです。凄いです!」

「いやあ、恐縮です」


 恥ずかしそうに、頭をかくアキト。


「新規登録者には、ランク付けのために簡単なテストを受けていただくことになってまして、ちょうどいいところに来ていただきました。定期テストが、ちょうど午後から始まるところだったんですよ」

「それは助かります」


 ギルドにはランクというものがあり、仮登録を済ませた新人はテストを受けて、FからBまでのランクにわけられるそうだ。

 そのさらに上には、国の英雄と称えられるAランクや、聖女や賢者や勇者などの超人たちが認定されるSランクがあるそうだが、自分には関係ないなとアキトは説明を聞き流す。


「あと申し訳ないんですが、登録料として銀貨一枚だけいただけませんか」


 本当に申し訳なさそうに言うお姉さん。

 

「もちろんですよ。どうぞどうぞ」


 美人のお姉さんに親切にしてもらって、銀貨一枚は安いぐらいだった。

 この世界にそういう風習があるか知らないが、チップを弾んでもいいぐらいだ。


「はい、確かに。ありがとうございます。それではこれが冒険者の身分証明書、ギルドカードになります。再発行には料金がかかってしまいますから、大事にしてくださいね」


 アキトはギルドカードを受け取ると、お昼すぎにギルドの裏庭に来てくれと連絡されるのだった。

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