第14話 ……はて、どうしてだろう?
「それにしても、月曜日が待ち遠しいね
「……えっと、それはどうでしょう……」
そう、何とも愉しそうに話す
「ねえ新里。折角だし、ちょっと賭けでもしない? いったい何人くらいがすぐに分かるかお互い事前に言い合って、その数に近かった方の勝ち。それで、負けた方は勝った方に購買のパンを一つおご――」
「――ねえ、めっちゃ格好良くない!? あの子」
「だよね! 超タイプなんだけど!」
「「…………」」
不意に、楽しそうに話していた斎宮さんの言葉が止まる。たった今すれ違った、他校の制服を纏った二人の女子生徒のやり取りに驚愕してしまったのだろう。……まあ、仮に今話していたのが僕だったとしても、きっと同じように止まっていたのだろうけど。
……いや、だって流石に恥ずかしいと言いますか。平時であれば、僕のことを話しているなどという痛々しい勘違いは微塵も生じない。だけど……今、会話を交わしていた女子生徒の視線は、疑う余地もなく僕の方に向いていたわけでして。
ただ、それにしても……流石に、そこまでかな? もちろん、斎宮さんの評価や
だけど……そうは言っても、やはり僕なんかが頂く評価としては過大というか……正直、申し訳ない。どれほど高く見積もっても、めっちゃ格好良いとか超タイプなんて言ってもらえるような素敵な人間では――
「……その、やっぱり駄目!」
「……え?」
「だから、その……今のお洒落な新里で学校に行くのは駄目! いつも通り寝癖のボッサボサで来ること!」
「寝癖のボッサボサで行った覚えがそもそもございませんが!?」
「うおっ、びっくりしたぁ。……なんか、前も思ったけど……ツッコむ時はちゃんと声出るよね、新里」
そう、目を丸くして半ば問い掛けるように話す斎宮さん。……そう言われれば、確かに前もそうだった気もするけど……はて、どうしてだろう? ツッコミって瞬発的なものだから、緊張が介在する余地がないから……とかかな? ……まあ、それはともあれどうして急に――
(……だって……モテたら困るし……)
【いえ、それはないですよ斎宮さん。僕がモテるなんて、まずあり得ないです】
「だからなんで聞き取れんの!?」
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