第14話 君と放課後
夢咲玲奈ゆめさきれいなは諦めなかった。
「ねえねえ、アナスターシャさんって得意な教科なに?」
「好き嫌いありません」
「ねえねえ、休日なにしてるの?」
「勉強とかしてます」
「ねえねえ、好きな芸能人とかいる?」
「あかりちゃんです」
「ゆきむらくん〜」
玲奈は半泣きになりながら幸村に喋る。
「今日は一回諦めて、明日もう一回チャレンジした方が…」
「だめ!絶対今日やる!」
(あんなに拒絶されてるのに執着すごいな…)
幸村は執着の凄さを改めて知ることになった。
あの後も拒絶され続け、放課後の改札前にて。
「どうしたの?
ゆきむらっち鞄漁って
えっちな本学校に置いて来ちゃったとか?」
桜井美咲さくらいみさきが、からかうように言う。
「ンッ」
一条桃華いちじょうももかが顔を赤らめて同じ反応をする。
「やべぇ、学校に忘れて来た…」
幸村が残念そうに言った。
「えええ?
え、えっちな本をゆきくん持ってたんですか?」
桃華は動揺全開で幸村に聞く。
「声がでけぇよバカ!えっちな本な訳あるか?!」
幸村は全力で訂正をする。
「2人は先帰ってて、俺取りに行くから」
「ここで待っとくんで
早く行ってください、美咲ちゃんも待つ?」
「どうせ暇だし待つよ!」
桃華と美咲は駅で待つことにしたそうだ。
幸村が教室に入ろうとした時、喋り声が聞こえた。
「友達なんか作る理由ないじゃない!
どうせまたすぐどっかに行く訳なんだし…
友達作ったら相手もこっちも寂しくなるだけだよ…」
どうやら電話で話しているようだ。
(おいおい、教室入りにくいって…)
幸村は少し外で待ってることにした。
「友達なんか居た方が良い!それはわかってる、
でも、それを理解してないのはお父さんの方じゃないの?
友達になりたいって思って行動しても、私はすぐ消えて
記憶からも消える、どうしろって言うの!」
電話を切って教室の外に出る様子だ。
「居たの?いつから…?」
アナスターシャは幸村に聞いた。
「別に盗み聞きするつもりは無かったんだが、すまん」
幸村は平謝りをした。
「別にいいわ、電話の内容どう思った…?」
アナスターシャがさらに聞く。
「正直お前は未来に囚われすぎだと思うぜ
未来を作るのも今を作るのも過去を作るのも
全て自分なんだから、今を楽しまなきゃ
良い未来なんてこないと思うぞ
お前と俺は出会って数日の赤の他人
でも、お前が今を作りたい
って言うなら協力してやってもいいぜ」
幸村はそう言った。
「でも、どうせ私はすぐ居なくなる…」
アナスターシャは涙を浮かべながら言った。
「笑って言えるようになれよ、
乙女ヶ丘高校に来て、最高の友達と出会えたって
お前がもしどこかに行ったとしても、
俺は忘れるつもりないぜ
だって、この学校で1番最初に接触したのは
俺なんだから一生責任は取らしてもらうぞ」
幸村は励ますように言った。
「なんだ、そういうことだったのね」
後ろから美咲の声がする。
「美咲?どうしてここに居るんだ?」
幸村が美咲に聞く。
「あんたがあまりにも遅いから見に来たの」
美咲はそう言った。
「美咲ちゃん、正直に心配だったから
見に来たって言った方がいいんじゃなかった?」
桃華はヒソヒソと言う。
(全部聞こえてる…)
幸村は聞こえてるが無視することにした。
「あぁそうか…」
幸村はどんな感情で言ったか分からない。
「ていうか、
アナスターシャーさんなんでそんなに顔赤らめてる
の?」
美咲が聞く。
「もしかして、ゆきくん
いくら可愛いとは言え、
私達を差し置いて口説いたんですか?」
桃華は幸村に問い詰める。
「この男の人が一生責任取るって…
これってつまり告白ですよね…///」
アナスターシャが恥ずかしそうに言った。
「ゆーきーくーん?」
桃華は鬼の目で幸村を見ている。
「そう言っとけば、
担任の先生に呼ばれてた気がするな、じゃーな!」
幸村はトップスピードで走り出す。
「あぁ、行っちゃった…」
桃華は追いかけようとするも
追いつかないという判断をした。
高校生ワイ、男女比1:99の高校に入学してしまった件について @nattiii
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