第10話 買い物with妹
実は俺には2つ下の妹がいる。
名前は椿優菊つばきゆうひと言う。
「ねえ〜ゆき兄〜
服買いたいからショッピングモール着いてきてよ」
「1人で行けよ」
「だって〜、ゆき兄に選んで欲しいんだもん!」
俺は冷たく返すもいつもこのような結果となる。
正直言って、妹は可愛いが明らかにこいつは
ブラコンだ。はっきりいってブラコンだ。
「ゆき兄〜、私どんな服が似合うと思う?」
「中2だし、大人っぽい服も良いと思うぞ」
「なんだ乗り気じゃーん!」
(なんか学校でも
似たような揶揄い方をされた気がするような…)
ショッピングモール内を歩きながら会話していた。
その時、幸村は思った。
(まって、これ知り合いに見られたらだるくね?
今では知り合いが居なかったけど、
高校に入ってからは、いっぱいいるよな…)
最悪の想定までした幸村であった。
すると、
「バンッ!」
幸村とすれ違った人が肩をぶつけてしまった。
「すいません。大丈夫ですk…」
(えー何この美少女。ハーフ?
なのか?白髪でハーフってなんか見たこと
あるような無いような気する…)
幸村はなにかダメな想像をしているようだ。
「いえいえ、大丈夫です!
そちらこそお怪我はありませんか?」
(登場人物の中で一番優しいって)
「いえいえお気遣いありがとうございます」
そして2人は歩き出した。
「ゆき兄〜何可愛い子に肩ぶつけてるんですか〜?」
「しゃーねえだろ!考え事してボーとしてたんだわ」
ブラコンなのに揶揄ってくるタイプの妹だ。
試着室にて、
「どう?ゆき兄〜この服!似合ってる?」
「なんかお前、可愛いな」
「とうとう妹様の良さに気づきましたか…」
どうやらノリがいい妹のようだ。
「この服とかいいんじゃないか?」
「ゆき兄、センスねー
でも、ゆき兄が着て欲しいって言うならね?」
といい、試着室のカーテンを閉める。
しばらく待ってると、
「あれ、ゆきむらじゃんー!」
(この呼び方はもしかして…)
幸村が振り返るとそこには天ヶ瀬朱里あまがせあかりが居た。
「なんでゆきむらが居るの?」
近寄ってき、朱里はそう聞いた。
「妹が服見たいっていうから着いてきた的な感じかな?
天ヶ瀬さんは?」
「天ヶ瀬って呼ぶの禁止ね!
朱里って呼ばないと痴漢って言って叫ぶね!」
「え、ほんとに?」
「うん、ほんとに」
朱里はなんかいつもと違う気がする。
「あ、朱里はなんでここにいるの?」
「買い物しようとね!
そうだ、なんでゆきむらはLINE無視するの?」
(やべぇ…めんどくさくて無視してたんだった…)
「寝てて、」
幸村の高IQではこれが最適解とされた。
「今起きてるじゃん」
「あ、」
最適解が一瞬にして不適解となった。
「ていうか、今妹ちゃん試着してるの?
妹ちゃんに会ってみたかったし、一緒に待っていい?」
「いいんだけどさ、
朱里、お前はツンデレキャラじゃないとこの物語成り立たん。
今直ぐそのキャラやめていつものキャラに戻れ」
違和感とはツンデレは無いということだった。
「ゆき兄〜開けますよ〜!」
カーテンを開けると兄と人気モデルがある光景となっていた。
「ゆき兄、その人ってもしかして…」
「ごめんなさい、
私はゆきむらくんと付き合っては天ヶ瀬朱里って言います」
「え?」
幸村が本日の最速「え?」を観測する
「突き当ってる?」
「おい、お前の喋ってる字幕の漢字おかしかったぞ」
「てへぇ」
「てへぇじゃねえよ!」
幸村は優菊に対して怒る。
「朱里ちゃんってあの人気モデルの?!」
「いちよ私はモデルやってますね!」
「で、お兄ちゃんの彼女…?!」
「ごめん、彼女は全くもって違う」
幸村がそう否定した。
「でも、なんで2人が喋ってるの?」
「俺と朱里は隣のクラスの同級生でちょくちょく喋るんだ」
幸村がそう言った
「ゆき兄が女の子の名前を下呼び…ゆき兄、好きなんですか?」
優菊がそう聞いた。
「だから、そんなんじゃ無いって!」
そう言い、朱里の方を見ると、
「何、顔赤くしてんだよ」
朱里は顔が真っ赤だった。
「名前なんて言うの?」
朱里はそう聞いた。
「ごめんなさい、申し遅れました!椿幸村の妹役、椿優菊です!」
「役って言うな」
幸村はもちろんのごとくツッコンでいく。
「優菊ちゃん、今から私も一緒に回ってもいい?」
「勿論です!モデルさんに服選んで
貰うなんて光栄です!この人は使えないんで!」
「おい、この人っていうな」
幸村の扱いが雑になっていく。
このまま平然と俺のショッピングモールライフは終わるのか…
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