第5話 『犬』


家に帰って、ドローンカメラの入った箱を開け説明書を見ようと探していたのだが、説明書は付属されていなかった。まあ、中古ショップで買ったものだから仕方がない。


ネットで、製品名を検索して使い方を調べる事にした。


さて、このドローンカメラをどう使うか。これは、障害物を避けたりして、壁にぶつかり壊れる心配は無い。あとは、どのくらいの距離を設定するかだけど....


設定するのが難しい。


設定は、スマホにダウンロードしたアプリ内で出来るのだけど、それは人間のサイズの話。


アプリ内で、身長を設定するとそれに合わせた最適な場所で撮影してくれるのだが僕は、ダンジョンの中に入ると犬の姿になってしまう。


だから、1から設定しなければならない。


僕が犬の姿に変身したら中型犬ぐらいの大きさではあるので、顔が膝ぐらいの場所に撮影するように設定すれば良いのだとは思うけど....


とりあえず、ネットで設定の仕方を調べながら僕は設定した。家の中で、ドローンカメラを起動させてどのくらいの高さで撮影されるか確認した。


とりあえず、自分の膝ぐらいに調整する事を確認したが、まあ犬の姿になった僕の体を測ったことがないので今後、調整しながら撮影していこうと思う。



配信する機材の調整が終わったところで、配信サイトでのアカウントを作りいつでも配信できるようにした。


ちなみに、アカウント名は『犬』っとそのままの名前にした。もしかしたら、犬好きの人が見てくれるかもしれないからだ。


今のところ、僕は攻撃力なく弱い。だから、ダンジョンはボスが倒された所しか行こうとは思わない。


それに、僕は犬の姿になると嗅覚が良くなりダンジョンで魔石を掘り当てる事が出来る。魔石を集めるのは、別にボスが居て危険なダンジョンじゃない場所でもいいのだ。


戦闘シーンとか無い散歩系配信を見てくれるのは、犬好きぐらいなので『犬』と言う名前にした。


ひと段落つき、寝るまで時間がある。ダンジョンの地面から掘り出した魔石を加工する事にした。必要な道具は、魔石を削る魔ノコとヤスリ・文字とかを削る彫刻ペンを使う。


魔ノコは、あまり聞かない道具だと思うが、小さなノコギリみたいで、ギコギコと魔石を削る専用道具である。


そんな、道具を駆使し魔石を加工する。魔石を削ったりするので、粉や破片が部屋に散らばってしまうので紙を地面に敷いてその上に座って作業を始めた。


犬の姿でも装着できるよう首に掛けれるネックレスのような物を作る。ネックレスの部分に装着するのは、卵形の形をした物にした。魔石を卵形風にして、魔法陣を刻み込むと危険な場面で防御魔法が発動する。


魔法陣を書いて防御壁が発動する原理は、未だに解明されていない。


僕は、犬なので防御を担う魔石は必要アイテム。


卵形風にカット。彫刻ペンで魔法陣を描きネックレスの糸を通すために、穴を開け糸を通し首にかけれるようにし、完成した。


魔法陣は、人それぞれ違うので手作りの場合は、効果にバラつきが出てしまう。もし、ミスってしまうと防御壁が出現しない時があるので、この作業が1番集中する場面である。


彫刻ペンで、魔法陣を書き終え時計を見ると夜中の4時になっていた。僕は、後片付けをし一息つくと急に眠気に襲われ、片付けを終え布団の中に入り眠りについた。


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