鍼灸師辻友紀乃
クライングフリーマン
プライド
私の名前は辻友紀乃。
辻は、所謂通り名。そして、旧姓。戸籍上は「大下」。
旦那は「腹上死」した。嘘。
本当は、がんだった。
膵臓がん、って奴だ。
私は、鍼灸師で柔道整復師だ。
日本の医学界は、まだまだ「お堅い」。
医師によって、特に整形外科医だが、「東洋医学」自体認めない。
必然、保健医療として処置をする場合、内科医もしくは理解ある医師の「指導」の下(もと)施術する。
「同意書」という「建前」の「協力体制」で、患者には「同意書」を書いて貰える医師を紹介する。
今日も、「同意書」を書いて貰った患者がやって来た。
「先生。これでいいんですか?何か変なシステムですね。」
竹輪という名の患者は言った。
「ええ。医師会がアホばかりなのと、世間で偏見持ちの人がいるせいでね。もう半世紀以上停滞している。東洋医学も漢方も、患者の方が心得ている。で、今日は腰?膝?」
「両方です。」
1時間後。竹輪は満足して帰って行った。
1ヶ月に一度は柔道整復師として、「矯正」を施術する。
こちらは、「保健が効かない」治療だ。実費である。
それでも、私は治療を、施術をする。
使命だから。
―完―
鍼灸師辻友紀乃 クライングフリーマン @dansan01
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
下品!!/クライングフリーマン
★3 エッセイ・ノンフィクション 完結済 1話
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます