試験について「早う書け!」と言われたとです!

妖怪老人びーる男

第1話 時は1970年代 田舎から街中へ

 今は昔の思春期でした。家の前には段々と田んぼの風景が広がり、フナやハヤなどの魚が泳ぎまわる川へと連なっており、裏側には雑木林が主の里山に囲まれた大自然の環境で育ってきた東森シゲルくん、寒い冬がもうすぐ終わりそうな時期に大人への2歩目の階段となる高校受験を迎えておりました。


 中学校の1.2年のころは、大工の棟梁だった親父のもとで、職人目指して働こうかなとも思ってたみたいですが、毎晩の晩酌で母親とのくち喧嘩がたびたびとなって来たあたりから嫌気がさし、180度転換して行先不明の普通高校に目指すこととなったのであります。学年2クラスの80人程度の中から10人くらいだったみたいですが、街中の中心にあった普通高校を受験したのです。


 近在には公立高校として、普通高校、農業高校、商業高校、そして隣の市に工業高校、そのまた隣の市に高専学校があったのですが、シゲル君は大人となった時の職業を全くイメージするのが出来なかったので、普通高校から国立大学への進学を念頭に決めたようです。私立高校や私立大学は、家庭的に金銭的な問題で全くできない相談でした。


 その高校受験の際の受験番号が、222番だったと思うのですが、幸いなことに母校の中学校から受験した全員が合格でき、以降この番号と単独の2番という数字がシゲル君のラッキーナンバー的な数字となったのは言うまでもありません。


 第1回目の人生初の公的試験は、何とかセーフすることが出来、街中まちなかの新しい友達作りを夢見たのでした。

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