第10話 その手
ある寒い雪降る朝。
2人で職場へ向かっていた。
やけに麗華が眠そうなので、
「まだ15分くらいかかるから寝てていいよ」
と声をかけると、僕の手を握ったままこっちを向いて寝始めた。
あまりに可愛くて胸が高鳴った。
彼女は僕の四つ上。
でもたまに見せるこういうのがたまらなく好き。
あまりに可愛すぎて信号待ちで頭を撫でた。
…愛しくてたまらなかった。
暫く走って職場に着いて、
起こし際にキスした。
「…愛してる、麗。」
「やられた…?」
「やられた。」
「……。」
「そろそろ行こ。」
彼女が車から降りて体を伸ばす。
…全てが可愛くて
全てが愛しくて…。
「麗華…」
「うるさいな。」
少し背の高い彼女は僕を引き寄せてキスした。
「…
「ありがとう…」
「あたしこそ。」
麗華と幸せ。麗華で幸せ。
僕は昔から彼女の手が好きだった。
彼女と手を繋ぐのが好きで
手にキスをするのがすきだった。
その手で愛でて 海星 @Kaisei123
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